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活動レポート

イルカのアイコン 帆船で播磨灘スナメリ航海を行いました!

6月1日、2日にゼリ・ジャパンさんと共催で「播磨灘スナメリ航海」を実施しました。
今年で3年目となる帆船「BLUE OCEANみらいへ」でのスナメリ観察航海。
今回は、兵庫県西部に面する播磨灘を航海してスナメリを探しながら、船の上でスナメリのくらす海のこと、私たちの暮らす地球のことを学びました!(播磨灘で行うのは2年目) 日帰りの航海で、約30名の参加者さんと共に播磨灘を航海しました。

帆船でスナメリを探す理由は、陸からだけでは見えない範囲もいけること、そして、海を体で感じ、生活の中で感じられることにあります。『船は小さな地球』と言われ、限られた資源の中、さまざまな人がいっしょに生活しています。
例えば、水は航海に必要なだけ積まれ、使った後には微生物の力を借りてろ過し、海へと還します。いつもは遠く感じる自分の暮らしと海を、たった数時間でもものすごく近い距離で感じることが、この航海の大切なことなのです。

1日目は鹿の瀬(淡路島の西側沖)まで広範囲を操航するルート、2日目は神島付近と沿岸部をゆっくり巡る航路をとりました。2日目は沖合で少し風が出ていましたが、海の状況としてはそれなりに観察にはいいコンディション。
姫路港周辺は港内にもスナメリがいることがあって、離岸直後からスナメリ観察を開始しました。様々な種類の船を見ることができるのは港の見所ですね。

合図となるドラを鳴らして出航です。
「ツー・シックス・ヒーブ!」の声掛けをしながらみんなで帆をはります。何本ものロープを引いて、さまざまな部分の帆を広げていきました。

広げた帆の下で、まずはイルカ・クジラと播磨灘のスナメリを知るプログラム。
今回は自然のことを学び活躍していく人を育てている、大阪ECO動物海洋専門学校の生徒の方々にサポートスタッフとして、アイサーチの活動ではおなじみのイルカ・クジラクイズやスナメリ探しのお手伝いをしていただきました。とっても楽しめる構成にしてくれて、私たちスタッフもこんな視点があるんだ~と勉強になりました。
クイズの後は、以前に播磨灘でスナメリ調査・研究もされていた近藤茂則先生より播磨灘での研究結果をお話していただいて、生態や観察された場所などを知ることができました。

一日を通して、観察や船での体験をして、参加者のみなさんとスタッフがワイワイと交流しながら海のことや船のこと、スナメリのことを知り、考えを深めたり、新たな視点を得たりと学び多き時間を過ごしていただきました。

お昼ご飯は船員さんが普段から船で食べているという、みらいへカレー。特別仕様で、シーフードカレーを作ってくださりました。
船の上で、海風にあたりながらいただくカレーはうまい★

スナメリは2日間とも、全員が見られたわけではありませんが、姿を確認することができました。スナメリのサイズは大人でおおよそ150~170㎝ぐらい。背びれがないため、ポコッと頭から背中あたりが見られるだけど、少し風がある場所では波にまぎれて見つけにくいスナメリ。それでも播磨灘で暮らしているスナメリに出会うことができました。

人の生活から近い場所で暮らしているスナメリたち。
そのため、人が自然とどんな関係で過ごしていくかによってスナメリたちの生活にすぐに影響が伝わります。
今回の航海を通して、参加された方々が身近な自然のことを考えるきっかけをつかむことができていたらいいな。

イルカのアイコン [イルカ・クジラジュニアクラブ]ビーチクリーンアップ 比べてみよう!川のごみ、海のごみ 〜海編〜 を行いました

こんにちは!新人ボランティアスタッフのタイチです。
12月17 日(日)に『イルカ・クジラ ジュニアクラブ ビーチクリーンアップ比べてみよう!川のごみ、海のごみ〜海編〜』を開催しました。「海の環境学習 イルカ・クジラジュニアクラブ」は、イルカ・クジラの生態や海の環境について学び、自然とのつながりを感じて未来を考えるスクール型ワークショップ。かわさき市民公益活動助成事業として、4回にわたり学びを深めていくプログラムです。12 月はその第3回。

当日は風は強かったですがお天気に恵まれ、川崎市の小学4年生〜6年生 20 人とご家族が集まってくれて、ボランティアスタッフも含めると計59人で活動を行いました!まずは皆で砂浜に座り、マイクロプラスチックやごみが海に流れるとどんな事が起きてしまうのか写真を見ながら学習しました。1頭のクジラの胃から人間が出した沢山のごみが出てきた写真や、マイクロプラスチックをついばむお魚の写真をみんな真剣な表情で聞いています。

お話を聞いた後は、グループに分かれて、実際にどんなごみが落ちているのか、紙で作ったごみ入れを持って、調査に向かいます。 一見綺麗に見える砂浜も、よく見ると、プラスチックや釣り糸、空き缶など、沢山のごみが落ち ています…。 ごみにまぎれて、鳥やエイの死骸も流れ着いていて、この海に確かに生きものが暮らしている事も、皆感じる事が出来たようです。

みんなごみ入れに入りきらない程のごみを拾って、30 分程で、各グループ袋いっぱいのごみが集まりました。沢山のごみが取れたけど、参加者の男の子からは「こんなんじゃ全然足りないんだよ!」という頼もしい言葉も聞けました!

ごみ拾いの後は、グループで集まって「どんなごみがあったのか」「どこからやってきたのか」 など話し合いました、「お菓子の包み紙などは、風で飛ばされやすいから、ちゃんとごみ袋を持 ち歩くようにしたら飛ばされない」など、実際に風が強い日のごみ拾いならではの意見も出ました。

話し合いの後はグループで話し合った事をみんなの前で発表! 自ら発表したい!という子も沢山いて、みんなの「自然の為にできる事をしたい!」という純粋 で熱い思いを感じました。

「この気持ちこそが地球の未来を作っていく力なのだ」と私はほっこり、みんなを頼もしく感じました。

ご参加頂いた皆さま、ありがとうございました。

イルカのアイコン 第2回『海の環境学習 イルカクジラジュニアクラブ[講演会:漂着物から学ぼう!どこからきてどこへいく?]を行いました

こんにちは!ボランティアスタッフのかよです。
11月26日に第2回『海の環境学習 イルカクジラジュニアクラブ』を開催しました。

「海の環境学習 イルカ・クジラジュニアクラブ」は、イルカ・クジラの生態や海の環境について学び、自然とのつながりを感じて未来を考えるスクール型ワークショップ。かわさき市民公益活動助成事業として、4回にわたり学びを深めていくプログラムです。

2回目の今回は『漂着物から学ぼう!どこからきてどこへいく?』と題して、一般社団法人JEANの事務局長、小島あずささんを講師にお招きして、講演会を行いました。

一般社団法人JEANは、海洋ごみ問題を解決するために、日本での国際的な海ごみ調査の実施を呼びかけ、情報の収集と発信、啓発普及、政策の提案などをしている団体です。
子どもたちには、活動内容を「ごみを拾う」「拾ったごみを調べる」「ごみ拾いやごみ調べをする仲間をふやす」「川や海のごみのことを、たくさんの人にしらせる」とわかりやすく説明してくださいました。

小島さんがまず参加者のみなさんに見せてくれたのは、大きなえんどう豆のようなもの。硬くて、振るとカラカラと音がしています。「これ何だと思う?」の問いかけに、首を傾げるみなさん。

これは、藻玉(モダマ)という種類の豆で、殻が硬いから波に漂い浜に流れ着き、着いた先で芽を出し増えていく植物です。そして、丸い椰子の実の皮、クジラの骨。これらは全て海岸で拾ったものです。海岸にはこんな素敵なものがたくさん流れ着くという話に、みなさん目を輝かせていました。

しかし、流れ着くものは素敵なものだけではありません。海で拾った漂着物に興味津々だったみなさんも、次のスライドの写真を見て驚いたようです。綺麗な青い海と砂浜にいっぱいの漂着物。どんな物が見えるかみんなで見ていきました。プラスチックの破片やスーパーで使うカゴのようなもの、なんと冷蔵庫まで流れ着いていました。

なんでこんなにごみが海岸に流れ着いてくるのでしょう?海流によって遠い国からもごみが海を漂って日本に流れ着いたり、日本のごみが外国に流れ着いていることを教えてくれました。

そして、その流れ着いたごみは、海や陸や動物たちにどんな影響を与えているのか?網が首に絡まってしまったオットセイの子。レジ袋がのどに詰まったウミガメ。プラスチックごみが口にはまったアザラシ。話を聴きながら驚きの声を出したり、悲しい顔をしたり、みなさん真剣に話を聴き、様々なことを感じていたようです。 私も驚いた話がたくさんあったのですが、特に、アホウドリの親が餌と間違えてごみをヒナに与えてしまう話には、漂着物が動物たちの間では生命に関わる大きな問題になっていることを改めて知り衝撃を受けました。

小島さんのお話は、すべて現地で見て、知って、経験したことです。だからこそ聴いている人たちにも身近で起きている問題としてリアルに響くのだと思います。

もっと知りたいと思ってくれた子どもたちからも質問が多く出ました。小島さんはひとつひとつに丁寧に向き合って答えてくださいました。


レクチャーのあと、子どもたちのグループ、親たちのグループに分かれてグループディスカッションを行いました。今日の話を聴いて感じたこと、こらからみんなでできること、様々な意見がでました。

・ごみはごみ箱に捨てる
・学校の給食でストローを使わなくなった
・町のごみ拾いに参加したことがある
・プラスチックが細かくなって拾えなくなる前に拾う
・ごみを回収する場所にヘリコプターやドローンでいく

・食べても大丈夫なプラスチックを発明する

また、ごみを拾う人を増やせたらいいねと話が出たグループでは、どうやったら人を集められるか話し合ったそうです。楽しくて人が集まるイベントにするために、「ごみクイズをやる」「拾ったごみでクラフトを作る」などの具体的な意見も出て、自分たちがリーダーになってこれから行動していくんだという思いが芽生えているように感じられました。
みなさんの意見を聴きながら、私も勉強になりましたし、今回小島さんがお話してくださったことが、一人一人の心にしっかりと響いて、考えるきっかけになったのだと強く感じました。

今回の参加者は18組、子ども22人、大人13人でした。
参加してくださったみなさん、お話をしてくださった小島さん、ありがとうございました!

イルカのアイコン 八景島マリーナ主催「クジラキャンプ」10月 環境編を担当しました

初めまして!スタッフの H です。
10 月 9 日(祝)に今年 2 度目となる八景島マリーナ主催の「クジラキャンプ」を行いました。
当日は雨でしたが、中学・高校生の5 名と保護者3 名の計 8 名が遠くから参加。みなさん活発的で和気藹々とした雰囲気でした!

最初のアイスブレイクでは、お互いの名前を覚えたり、好きなものなどを知ったりしてスタッフも含めた交流を行いました。
その後はイルカ・クジラに関するクイズをいくつか行いました。クイズをしていく中でみんなもイルカやクジラたちに興味がでてきて、「イルカたちって歯は何本くらいあるの?」、「クジラはどうやって息をしているの?」など積極的に質問をしてくれて、みんながイルカやクジラに興味を持ってくれるいい時間になりました。

イルカ・クジラたちについて学んだあとは等身大のシロナガスクジラを体験できるバルーンを使ったプログラムです。中に入って大きさを確認したり、みんなで記念写真を撮ったりなどしました。
ちなみにこのバルーンは準備や片付けが大変で(笑)、参加者の方々にも協力してもらいながら、スタッフたちと楽しく準備や片付けもしました。

そしてシロナガスクジラを肌で感じてもらった後は、実際に彼らが棲んでいる海に船で向かいました。
朝から天気が悪かったのですが、ボード乗り場へ行くと雨足も弱まり、海上へ案内されているようでした。参加者の乗船の終わり、いよいよ出航です。
先頭に乗った子どもたちは、普段なかなか味わう事のできない潮風や波を感じながら歓声があがっていました。高い波を越え、しぶきを浴びて、お互いに顔を見合わせながら大人も子どもたちも笑い声が絶えませんでした。一周終わると、アンコールが聞こえるほど、普段経験できない自然のアトラクションを惜しみながら船を後にしました。

プログラムの最後はアイサーチでお馴染みの水の繋がりの話をしました。地球上にある水はどんなところにあるんだろう?これまでのお話を通じてイルカ・クジラたちが暮らしていける海を守るためにはどうしたらいいんだろう?
最終的には用意した壁紙に貼ることができないくらいのたくさんの意見が出ました!

活動後にはこんな意見も頂きました!

・とても船が速くて楽しかったです。意見交換(これからの地球について)がとても面白かったです。
・あらためて環境について考えました。バーベキューした時やキャンプの時に外でゴミを出す時は分別はしっかりして、キチンと持ち帰って捨てるなど自分でできる事からやっていこうと思います。
・クジラの呼吸が口からはしていない事を初めて知りました。雨の中の乗船体験、とても良かったです。
・メディアなどで海のこと、海の生物のことを耳や目にしますが、このように対面で学ぶとより身近というか、近くに感じました。うちでは「節約」を「エコ」と呼んでおります。地球にも家(うち)にも優しく生きていきたいと思います。ありがとうございました。
・クジラの数(種類)について知れた。沢山いることを初めて知った。また、イルカはクジラの仲間だということを初めて知った。とても楽しかった。

こういった体験からイルカやクジラたちのことに興味を持ってもらい、そこから更に川や海のお話、そこで起きているゴミの問題などいろんなことに視野を広げていってもらい、自分たちがしている何気ない行動についてもう一度考えてもらう機会になってくれれば嬉しいです。

参加してくれたみなさんや主催の八景島マリーナのスタッフの方々に感謝を申し上げます。
ありがとうございました!

イルカのアイコン 八景島マリーナ主催「クジラキャンプ」9月 環境編を担当しました

文:相良菜央

お天気に恵まれた9月18日(祝)、八景島マリーナ主催「クジラキャンプ」の活動を行いました。

朝の海は、朝陽に照らされてキラキラ。活動前に八景島の海を眺め、地球の未来もこんな風に輝くものであると良いなぁと想いを強くしながら会場へ。
午前の部、午後の部、ともにアットホームな雰囲気で活動することができました。

午前の参加者は、中学生2人とプロジェクト・ワイルド所属の方の計3名。
アイスブレイクのゲームで参加者の緊張をほぐしてから、イルカ・クジラクイズです!

世界の海に生きるイルカ・クジラ。
参加者一人ひとりの興味ある入口からイルカ・クジラの生態についてより深い話を伝えることができて、皆さんも楽しそうでしたがスタッフ側も楽しいひとときでした。

本物の歯・ヒゲ板・骨に触る体験では、じっくり手にとって重さ・質感・色など多くのことを感じてもらえたようです。

そして、クジラの動画視聴。八景島マリーナ沖で以前ヨット乗りの大学生たちが会ったクジラの動画です。その後はザトウクジラの声を聞き、「触れる」・「見る」・「聞く」の感覚を使ったところで、アイサーチプログラム前半終了。

中盤は、主催者の方が外で原寸大のシロナガスクジラの大きさを体験するプログラムをしてくれました。
25 mと言葉で聞くと分かりにくいですが、やはり大きい大きい。
膨らんだクジラの体内に入り、生命の大きさを感じてもらいました。

後半は、「水のつながり」について。海と町は、水でつながっている…イルカ・クジラの海を想
い、「私たちにできることは何だろう?」と、考え合いました。

~ 皆さんの意見や声をご紹介 ~
◯「物はすぐに捨てるのではなく、リメイクして別のものとして使えるようにする」
  →「繰り返し使う」「人にあげる」「買い物の時に繰り返し使える物を選ぶ」など
◯「丈夫なもの(壊れにくい)を使う」
  →「“捨てる”というのはどういうことだろう?」と、考えてみました。
◯「町のごみ箱について」
  →「汚いと皆ごみもごみ箱に入れる気がなくなっちゃう」
  →皆がごみを拾って捨てたくなるデザインを考え合いました。
   「ペットボトルを入れると音が鳴る仕組み」
   「入れ口の形を(◯△□)様々な種類にして明るい気持ちにさせる」など

活動後の感想はこちらです。
「目に見えないくらいの小さな生きものから、あんなに大きなクジラまで、みんなで同じ水に支えられて生きていることがわかった。人間だけの地球じゃないって想ったから、何万種類の生きものたちのことを考えて生きていこうと思った。」
「身近なものの考え方をちょっと変えて考えるだけでも、だんだん何か翁ことを変えることができると思った。」

一人ひとりの想いがとてもキラキラ輝いていて、温かな気持ちになりました。

午後は、小学4年生の男の子とお母さん。プロジェクト・ワイルドの方も一緒に活動してくれました。
この親子はとても熱心な方々で、アイサーチのイベントリピーターさん。そこで特別プログラム実施!

小さなボートに乗って海上散策と、骨や本などを見ながら自分の好きな鯨類について「my イルカ・クジラ図鑑作り」を行いました。

潮風を受け、しぶきを浴び、海鳥に出会った海の上。その後部屋に戻ってからは、自分で興味の湧いたイルカ・クジラを、図鑑や骨をよく見たりして自らの力で学び取り(インプット)、自分の“my図鑑”に描き写したりして表現(アウトプット)するという、充実した時間となりました。

図鑑を作る時の男の子の真剣な瞳。自主的な学びからは、目には見えない大きな宝ものも得られていることでしょう。
活動後のアンケートには、
「図鑑をかいている時にわかったことがたくさんありました」と書かれていました。

大人の方も、楽しそうに取り組んでくださっていたことが印象的でした。
最後の水のつながりの話を受けて、男の子は「海のこととかを、自由研究(自主学習)にする。そうしたら、クラスの30人に見てもらえるから。あー、4年生全員だと100人くらいかな、あーでも学校全員に見てもらえるから、、何人かなー」と、話していました。
“広める人”になる素晴らしい一歩ですね!

こうして一人ひとりが、町で暮らしながらも海を想う瞬間が増えること、心から嬉しく思います。
未来につながる今を生きる私たち。小さなことから、「私たちにできること」を紡いでいきたいです。

主催してくださった八景島マリーナの担当者の方、プログラム進行を手伝ってくださった皆さん、足を運んでくれた参加者の皆さん、ありがとうございました!

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