- トップページ
- 25th ANNIVERSARY
大きな水の循環の中に、地球に生きるすべての生命とのつながりがある。
そして、今、同じ時を、私たちとイルカ・クジラは生きている。
そんなことに思いを馳せてみてほしい…。
アイサーチ・ジャパン設立25 周年という節目を迎え、今、私たちが一番伝えたい思いをメッセージにしました。
同時に、沖縄出身のアーティスト、Pokke104 こと池城由紀乃さんの世界観に惹かれ、
このメッセージを伝えるキービジュアルを表現していただきました。
これからも伝えたいこの思いを大切に活動に取り組んでいきたいと思います。
今、あなたがここにいる、同じ時間に
イルカ・クジラは海で悠々と泳ぎ、
波に乗って遊んでいることでしょう。
街に住む私たちの暮らしと、
海に棲む彼らの暮らしは、
水でつながっています。
水は、
雨となって、森を豊かにし、
土の栄養を含んで、川となり、
私たちの暮らす街を通って、
海へと流れていきます。
そして、太陽の熱で水蒸気となり、
再び、空へ…。
すべての生命と、
同じ水をわかちあって生活する私たち。
だから、できるだけダメージを与えずに
自然の中へと還したい。
蛇口の向こう側に、
イルカ・クジラの棲む海を感じることができますか?
![pokke104](./wp-content/themes/icerc/img/photo/pokke_prof.png)
pokke104 (ぽっけいちまるよん)
イラストレーター.アーティスト
池城 由紀乃(いけしろゆきの) 沖縄県出身
見たモノ感じたモノを心のポケットに入れて作品を通して発信できるようにという想いをこめpokke104という活動名をネーミングに込める。
形にとらわれない自分らしいスタイルで、広告媒体等のイラストレーション、店舗壁画、ライブペイント、皆の想いを同じ空間で発信する「アート×コミュニケーション」をテーマにしたワークショップなどの活動など国内外で展開。
http://www.pokke104.com/
キービジュアル製作者Pokke104さんのコメント
地球上に住むあらゆる命によって生かされている私達。様々な場所で生息する命は「水」で生かされています。イラストは、四季を通して人間と自然が少しでもバランスよく過ごしていけるように。そして、一人一人が意識を持ち生活する事で、頂いた恵みが途絶える事なく、循環する環境であってほしいという想いをこめて描きました。
四季と生き物の繫がり、水の繫がりをイメージしています。珊瑚の産卵、昆虫、鳥、カエル、トンボ、桜前線にのって、北の海に旅立つザトウクジラ…。
空、陸、海それぞれで暮らす生き物たち。
様々な命が一つにつながっているメッセージが感じ取れるようにデザインしました。
丸い形地球上に住む生き物たちの生活の流れを意味しています。
桜とザトウクジラ子育ての為に帰ってくるザトウクジラの季節にあわせて桜の花を隣にちりばめています。
太陽と雨太陽の熱で水蒸気となった海の水が、雨になり、山や川そして人々の暮らしを豊かにしてくれます。
カツオ鳥や枯れ葉鳥の糞や枯れ葉が森の肥料となり、雨がその栄養を蓄えた土をフィルターのように通って、水が海に注ぎこむ。そんなイルカの住みやすい環境を象徴しています。
Pokke104池城由紀乃
アイサーチ・ジャパン設立25周年に寄せて
1991年9月、オーストラリアの第2回国際イルカ・クジラ会議に日本人として初めて参加し、感銘を受けた岩谷孝子によってアイサーチ・ジャパンは生まれました。2016年。おかげさまで25周年を迎えます。
設立当時、日本ではイルカ・クジラに関する情報が少なく、国内でのホエールウォッチングもスタートしたばかり。そんな中、イルカ・クジラに興味のある人がボランティアで集まり、海外の専門家の講演会の開催や、フィールドツアー、調査などを開始すると共に、第4回国際イルカ・クジラ会議を開催しました。
そして、2005年愛・地球博への出展をきっかけに、子ども向け環境教育ワークショップを展開し、年間10回以上の機会をいただき、各地でプログラムを実施しています。
その時々で活動内容は変わってきましたが、今も変わらず、アイサーチ・ジャパンの活動はボランティアが活躍し、自然とのつながりを大切にというメッセージを発信しつづけています。
その時々で活動内容は変わってきましたが、今も変わらず、アイサーチ・ジャパンの活動はボランティアが活躍し、自然とのつながりを大切にというメッセージを発信しつづけています。
数えきれないほど多くの方のお力添えに支えられ、こうして活動を続けてこられたことに心より感謝しています。
今後ともご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
アイサーチ・ジャパン ファウンダー
岩谷(宇津) 孝子
30 歳の時「誰もが心豊かに平和に生きられますように」という願いが胸に届けられ、“家庭で暮らせない子どもたちとの山里での暮らし”を夢として思い描く。
同年第2 回国際イルカ・クジラ会議に参加し、アイサーチ・ジャパンの活動に没頭する。海とイルカから多くを学び“陸の哺乳類としての生き方”を考え始める。
アボリジニの長老から“七世代先の未来を考える” という生き方を聞き、東京の自宅での水中出産後、38歳から信州の山里で自給自足を中心とした子育てを始め、寄宿生活塾やファミリーホームを開設する。
現在19歳の実子と5人の里子を養育中。
岩谷(宇津) 孝子のコメント
アイサーチ・ジャパンの25周年にあたり、多くの方々に支えていただき、活動が続けてこられたことに心からの感謝を込め、お礼を申し上げます。ありがとうございます。
25年前のアイサーチ・ジャパンの設立時を振り返ると、大きな流れに後押しされていたように感じます。そして、本当にあらゆる方面からのお力添えをいただいてきました。
1990年のオーストラリアでの第2回国際イルカ・クジラ会議への参加が、アイサーチ・ジャパン誕生のきっかけでした。第1回の会議に参加したオランダ人の元ボスから「〝学者からアーティストまで、あらゆる分野の人が一堂に会し、イルカやクジラを通して、人類の未来への大きなビジョンを描こう〞という調和的なネットワークだった。」と聞き、東京の競争社会で自営業を営んでいた私は、「そんな夢のようなネットワークが存在するなら仲間入りしたい」という思いで参加を決めました。ちょうど、「誰もが平和で心豊かに生きられますように」という願いが私の胸に届けられた頃でした。
到着直後のオープニングで「名誉あるお客様を紹介します、日本からのタカコ!」と、突然のアイサーチ・オーストラリアの代表からの声に、戸惑いながらも立ち上がり、会釈をすると、会場の参加者から拍手の大歓迎を受けました。参加者もプレゼンテーターも共に宿泊する数日間の会議に参加をしていくうちに「捕鯨の国、日本からようこそ!」という意味だと気づきました。そして、「もっと日本のことを知りたい。」というプレゼンテーターたちのそれぞれの思いを感じました。
日本に戻り「イルカやクジラのことは、何も知らないけれど、国際イルカ・クジラ会議を日本で開催し、日本人の自然観を紹介し、日本のプレゼンテーターと交流してもらう機会を作ろう。架け橋にならなれるかもしれない。」と思い、アイサーチ・ジャパン設立の許可をアイサーチ・オーストラリアのカマラ・ホープ・キャンベル女史からいただきました。
1992年、ハワイでの第3回国際イルカ・クジラ会議の場で、1994年には日本での第4回国際イルカ・クジラ会議の開催予定を発表しました。アイサーチ・ジャパンの当初の活動は、会議開催のためのネットワーク作りから始まりました。そして、多くの鯨類研究者や鯨類に関心の高いアーティストや作家の方、報道関係者や協賛企業の皆さんのおかげで会議開催に至りました。プレゼンテーターもジョン・C・リリー博士、ポール・スポング博士、ジャック・マイヨール氏、星野道夫氏、ピーター・ラッセル氏、キャサリン・ダジンスキー博士など、著名な方々が無償で引き受けて下さいました。
その後、様々な活動に取り組み、現在のアイサーチ・ジャパンは、環境教育に力を注いでいます。25年間の道のりを共に歩んでくださった皆様、本当にありがとうございます。どうぞ今後とも変わらぬお力添えを賜りたく、よろしくお願い申し上げます。
アイサーチ・ジャパン ファウンダー
岩谷(宇津) 孝子
アイサーチ・ジャパン 前代表
大下 英和
1994年、神奈川県・江ノ島で開催した「第4回国際イルカ・クジラ会議」からアイサーチ・ジャパンの活動にボランティアとして参加。以降、ニューズレター「FLIPPER」の編集長、「第7回国際イルカ・クジラ会議」実行委員長などを経て、2001年から12年間、代表を務める。
大下 英和のコメント
アイサーチ・ジャパン25周年おめでとうございます。ボランティアの皆さん、ご支援いただいた企業、団体、研究者、イルカ・クジラウォッチングポイントの皆さん、ありがとうございます。
僕がこの活動に関わり始めたきっかけは、フリーダイバーのジャック・マイヨールをモデルにした映画「グラン・ブルー」でした。過酷な競技の世界から、イルカとの出会いを通して変わっていく主人公の姿に、「イルカや海が、自然と調和した新しい人間の生き方を教えてくれるかもしれない」と思い、ダイビング雑誌で目にしたアイサーチの連絡先に「転職したい!」と電話したのが最初です。
返ってきたのは「常勤の職員はいなくて、それぞれ仕事を持っている人や学生が集まって活動しています。ぜひミーティングに来てみてください」という答え。転職は叶いませんでしたが、この電話から約20年間、僕はアイサーチの活動にボランティアとして関わることになります。
当時、アイサーチは「第4回国際イルカ・クジラ会議」に向けた準備の最中で、たくさんのメンバーが毎晩集まり、打ち合わせを重ねていました。職業も年齢も様々でしたが、共通点は、イルカ・クジラが好きなこと、会議を成功させたいという思い、そして、誰も国際会議を運営した経験がないこと(!)。
まだ日本ではボランティアやNPOが一般的でなかった頃です。時に迷い、何度もぶつかり合い…。最初は「素人で本当にできるの?」と思いましたが、それぞれの力を少しずつ持ち寄り、会議が形になっていくうちに、気づけば、自分もその大きなうずまきに巻き込まれ、会議当日はそれまで感じたことのない達成感と充実感を感じていました。
僕をアイサーチに導いてくれた憧れのジャック・マイヨール氏もスピーカーとして参加。「日本のチョコレートが食べたい」という彼を、緊張しながらクルマでコンビニに案内したのもよい思い出です。
その後、アイサーチは、御蔵島でのイルカの個体識別調査、全国のイルカ・クジラウォッチングポイントでの自然体験、2005年「愛・地球博」地球市民村への出展など様々な活動を、研究者や各地の方々にご支援いただきながら、ボランティアの力で運営してきました。
「アイサーチは“未来を創るボランティア”なんじゃないかな」…「第7回国際イルカ・クジラ会議」の準備を進めているある日、スタッフの一人が言った言葉です。イルカ・クジラとの出会いや環境教育プログラムを通して、自然と調和した未来を創るボランティア。僕はこの言葉がとても気に入っています。
現場を離れて約3年になりますが、今もたくさんボランティアが参加してくれていることをとてもうれしく思います。いつまでもイルカ・クジラと出会える地球であるために…。アイサーチがこれからもずっと、そうした思いを持つたくさんのボランティアがいきいきと活躍する場であってくれることを願っています。
アイサーチ・ジャパン 前代表
大下 英和
G-SHOCK/BABY-G
イルカやクジラのイラストやバックライトが搭載された、G-SHOCK/BABY-G。通称イルカ・クジラモデルと呼ばれ、90年代に爆発的な人気を博し、有名になりました。
このモデルは、アイサーチ・ジャパンコラボレーションモデルとしてカシオ計算機株式会社様より、1994年から発売されており、アイサーチ・ジャパンの活動を継続的にご支援いただいています。
単なるご支援ではなく、活動とリンクした商品展開、そして、活動そのものを後押しするような存在として、大切なパートナーとなり、私たちを支えてくださっております。 25周年を迎えられたのも、G-SHOCK/BABY-Gのご支援があったからこそです。心より深く感謝しております。
G-SHOCK/BABY-Gと私たちの取り組みをご紹介させていただきます。
1994年から2016年までで、タイアップモデルは22回を数えます。国内で発売された時計の種類は131本となりました。
![歴代モデル](https://icerc.org/wp-content/uploads/2016/10/model_all.jpg)
1994年。初めて日本で国際イルカ・クジラ会議を開催する際、活動内容に賛同頂き、G-SHOCK/BABY-Gアイサーチ・ジャパンコラボレーションモデルは誕生しました。
1996年2代目アイサーチ・ジャパンコラボレーションモデルは第5回国際イルカ・クジラ会議記念モデル。半透明のスケルトンの時計は、爆発的な人気となりました。
私たちの要望をお聞きいただき、時計のパッケージをプラスチックの透明なものから、環境面に配慮し、G-SHOCK/BABY-Gとして初めて、牛乳パックの再生紙に変えていただいたことは、本当にうれしい出来事でした。その紙パッケージの美しさは、捨てるのが惜しいものでした。また、ソーラー充電機能や潮位がわかるタイドグラフなど、イルカ・クジラ・海が好きな人たちが使いたくなる機能を採用いただきました。
私たちのお話にも真摯に耳を傾けくださる姿勢は今も変わりません。
アイサーチ・ジャパンコラボレーションモデルは、アイサーチという団体を広く一般の方々が興味を持っていただけるきっかけとなりました。
このモデルは単なる団体への支援というだけではなく、常にアイサーチの活動にリンクした形で、様々なプロジェクトにおいて、時計のネーミングに採用したり、カタログなどその内容を紹介いただくことなど活動を後押ししてくださいました。
カタログでは単なる商品紹介だけでなく、このモデルの世界観を伝えるツールでした。そして、アイサーチのプロジェクト内容やメッセージなどもご紹介いただきました。
様々なプロジェクトを応援いただきました!!
- 国際イルカ・クジラ会議モデル(1994-1999)
- 国内外のイルカ・クジラの調査・研究を資金面でサポートし、その研究結果の報告をいただくという助成プロジェクト(2000年プロジェクト2000 エコリサーチネットワーク2001-2003)
- 日本におけるホエールウォッチングがエコツアーとして質の高いホエールウォッチングとなるような取り組みを行うプロジェクト(エコリサーチネットワーク2004)
- 愛・地球博(エコリサーチネットワーク2005・スナメリモデル) など様々なプロジェクトとのコラボレーションモデルが誕生しました。
長年に渡り、継続的にご支援いただいてきたことで、活動をしていく中で、初めて会った方などアイサーチを知らなくても、コラボレーションモデルを知っている方は多く、G-SHOCK/BABY-Gの話題から、アイサーチへの信頼をいただく場面も多くあります。
このコラボレーションモデルが、資金面だけでなく、アイサーチの存在自体を支えてくださっていると感じ、感謝の気持ちと共に、もっと頑張ろうという気持ちにつながっています。
今後もこのようなよい関係性でG-SHOCK/BABY-Gアイサーチ・ジャパンコラボレーションモデルが続いていくことを願うと同時に、このモデルを通じたメッセージが現実となり、自然と調和のとれた世界になっていくことを願っています。
アイサーチヒストリー つながりの中で生きる
25 年間、アイサーチ・ジャパンでは様々な活動をおこなってきました。活動メンバーもその時代ごとに変わっています。今では初期のころの話を知らないメンバーがほとんど。25周年という節目を迎え、当時の活動を振り返ってみようと取材へ出かけてきました。
イルカが棲み続ける海を次世代に遺せるように…― 御蔵島バンドウイルカ研究会の始まり ―