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活動レポート

イルカのアイコン 第二回かわさきイルカ・クジラジュニアクラブ


こんにちは!新人ボランティアスタッフのようこです。
10月27日に第2回『海の環境学習 イルカクジラジュニアクラブ』を開催しました。

「海の環境学習 イルカ・クジラジュニアクラブ」は、イルカ・クジラの生態や海の環境について学び、自然とのつながりを感じて未来を考えるスクール型ワークショップ。かわさき市民公益活動助成事業として、4回にわたり学びを深めていくプログラムです。

2回目の今回は『イルカのすむ島からのメッセージ』と題して、元御蔵島観光協会事務局長の小木万布(こぎかずのぶ)さんを講師にお招きして、講演会を行いました。

子ども5名と保護者とスタッフ合わせて計16名の活動となりました。受付が始まると子どもたちがみんな嬉しそうに部屋に入ってきて、ワクワクしているのがとても伝わってきました。楽しい時間が始まります。

小木さんは御蔵島で20年以上にわたりイルカの調査をされているイルカのスペシャリストです。同時に観光協会を立ち上げイルカと人間が共存できる島を実現されて来られました。そこで、長年観察を続けているイルカの生態や関わり方、野生動物と私たちとの付き合い方や環境についてもわかりやすくレクチャーしていただきました。

御蔵島は断崖絶壁な島で平地がほとんどありません。船が接岸するのがとても難しく「月に行くより御蔵島に行く方が難しい」と言われるほど上陸が大変なようです。先月御蔵島に行った私も、上陸できない危機に直面しました。

イルカでとても有名な島ですが、島特有の動植物があります。「オオミズナギ」という海鳥や「ミクラミヤマクワガタ」が生息しています。植物では「ニオイエビネ」が有名です。

島民300人の御蔵島、イルカは150頭ほどいます。私たちは野生のイルカがいることがすごいと思いますが、島の人たちは生まれた時からイルカはとても身近な存在で自然なことなのです。イルカ好きにとっては憧れの島ですね。

御蔵島では1994年からイルカ調査が始まりました。

イルカ調査はどのようにしているか知っていますか? なんと…海に潜り一頭一頭全て個体識別をしています。身体の特徴、尾びれや胸びれの欠けや傷など特徴を見つけていきます。名前も一頭一頭あります。御蔵島のみなさんの愛情を感じますね。

そして、イルカと人間がよい関係でいるために「イルカウォッチング」の自主ルールもあります。

「イルカに触らない。触ろうとしない」「食事や交尾・出産などの自然な行動を妨げない」「イルカに餌を与えない」など。とても大切なことですね。

イルカウォッチングはイルカに影響していないのか?

私は先月イルカと泳いだ時にとても気になっていました。御蔵島の人たちのルール作りと、イルカの観察をしながら無理なイルカウォッチングをしていないことが、イルカが安心して暮らすことにつながっているようです。

今年はイルカが海水浴をしていた人を襲うというニュースもありましたね。

「どうしてイルカは人間に噛み付くことをするのかな?」

みんなで考えます。

「突然知らない人から抱きつかれたり触られたりしたらどうする?」

「野生動物との付き合い方はどうすればいいのかな?」

イルカのことが大好きなみんなはイルカの気持ちがわかります。絶対に動物たちをびっくりさせるような行動はしない。みんなの優しさが伝わってきます。

小木さんからみんなへの最後の質問「私たちが普段使っている水はどこに流れていくでしょうか?」

海が好きな子どもたちはみんな知っていました。家から流れていく水は川に流れてそして海へと流れていきます。

海を汚さないために普段の生活に優しい心配りをしていきましょう。

最後に子どもグループと大人グループに別れてグループディスカッション。

子どもグループでは、

「イルカ一頭一頭に名前をつけて身体の傷とかを全部ノートに書いていてびっくりした」

「この町の水も海につながっているから水を使う時に洗剤とか気をつけようと思った」

「人間の行動によってイルカに影響が出ることもあるから、SDGsにもつながる」

と、SDGsの話題へ。

さらにSDGs14の海のことに留まらず、SDGs15の陸のことにも発展し、

「人工林を整備すれば、木を切ってきれいな水を海に還すことができるから、山のお仕事も海をきれいにすることにつながる」

「ゴミのポイ捨てする人は、言えばやめてくれることもある。学校でできることは、手を洗う時に泡を使いすぎないようにする」

子どもたちが環境への意識をとても高めているのを感じました。

昨年から参加してくれている子が「学校で“SDGs係”を作った」という話や、「海の環境問題をクイズにして伝えていくことができるよ」と話してくれた子もいました。

自分の想いを伝えてそれをお互いに認め合い、これからにつなげていく子どもたちがとても輝いていました。

言葉にして考えや想いを伝えてくれる姿は本当に素敵です。

大人たちも御蔵島のイルカに心を魅了されていました。

イルカが好きな子たちがイルカ調査の一員になる日が来るかもしれないと私は楽しみにしています。