国際イルカ・クジラ教育リサーチセンター国際イルカ・クジラ教育リサーチセンター | アイサーチジャパン

入会のご案内
 

活動レポート

イルカのアイコン アースデイ東京2021オンラインプログラムに出展しました

こんにちは。ボランティアスタッフ初参加のかよです。
4/24(土)に、【アースデイ東京2021】のオンラインプログラムに出展しました。

アースデイとは、「地球のことを考えて行動する日」
アイサーチでは、「海のない場所でできる海の思いかた」というテーマで、海の環境問題と一人ひとりのできることを考えるオンラインワークショップを行いました。11時〜、13時30分〜、15時〜と、1時間ずつのプログラムを3回出展し、zoomにて全国から合わせて14名の方にご参加いただきました。

代表からの挨拶、スタッフ紹介のあと、まずは「イルクジを知るコーナー」。
イルクジの種類の多さや大きさをオンラインで画面を見てるみなさんにも実感していただけるように、実物大のパネルやタペストリーの前でスタッフが手を広げて比較してみたりしました。
また、写真や実物の歯やひげ板などの特徴をひとつひとつ詳しく紹介しました。(私も初めて見たときは、体のどの部分についていて、どんな役割をするのかまったく想像できなかったんですが、たくさん勉強しました!)
イルクジの生態に関する質問では、回ごとに異なる質問をいただきました。「群れの構成は?」「子育てはどうしているの?」「特に珍しい鯨類ってなに?」など、みなさんの質問からイルクジのお話が広がりました。

イルクジについて学んだあとは、画面を共有しながら海のお話。
実際のゴミ拾いの様子などを見ながら、どんなゴミが海や海岸や川にあるのかを紹介しました。海にはいろんなゴミがあります。きれいな海の中にプカプカ浮かぶ白い物体や長いもの。中には海外から流れ着いたペットボトルも。。。逆に海流に乗って日本から海外に流れていってしまっているゴミもあるもことに思いを馳せ、スタッフがゴミ拾いをしている時に感じたことや気づいたことを話し、みなさんにも考えてもらいました。
町から川へ、川から海へ流れていくゴミ。町では形がハッキリしていたゴミも流されて劣化して、拾いきれないほどの細かい形になってしまったプラスチックゴミもあります。スタッフの、「海に流れる前に町でそのままの形の時に拾いたい」という言葉に頷いてくださっている方もいました。

そして、みなさんからも「感じたこと、日頃取り組んでいること、今後やっていきたいこと」を伺いました。
「マイボトル・マイバッグを持ち歩く」「合成洗剤を使わない」「今日ビーチクリーンをやってきた」「ふだんゴミ拾いの活動をしている」「学校でSDGsの勉強をしている」などさまざまなお話を伺うことができました。みなさんが「できることを少しずつ」とおっしゃっているように、取り組み方は違っても地球や海への思いは同じ、その一人一人の行動が積み重なって大きな結果につながるのだということを強く感じました。
みなさんのそれぞれの考えや思いを生の声で聞かせていただき、ありがとうございました。東京近郊以外から参加してくださった方もいて、今回オンラインで開催できたからこそ、同じ場所にいなくても同じ思いを共有できるということにとても感動しました。

出演者の後ろにある「ALL AS ONE」のメッセージロゴマークには、イルカやクジラが気持ちよく生きていける海であるための「つながり」が描かれています。
海を育む森、海と森をつなぐ宇宙、大地に降り注ぐ雨、雨がたくさんの生物や栄養を含みながら川となり、海を豊かにしています。海も森も人も動物もみんなつながって生きている。わたしたち一人ひとりの行動が、イルカやクジラの住む海をよりきれいにしていく。

今回ボランティア参加は初めてだったのですが、この「つながり」のお話を聴いてとても感動しました。
スタッフが話したこと、参加者のみなさんから聴けたこと、みなさんの思いが本当にひとつのつながりの中にあるのだと感じて、「自分は何ができるのか」「小さなことからでも行動してみよう」と改めて考えることができました。運営側にいながらもとても学びの多いワークショップでした。みんなで心の手をつないで未来をつくっていけたらと思います。
参加していただいた皆様、ありがとうございました。

イルカのアイコン オンラインイルクジカフェ「考えあおう!海の環境問題~プラスチック編~」

 最近、テレビ番組や新聞などのメディアでも話題になっている「プラスチック問題」。私たちの身近にあふれているプラスチックの使い方や捨て方に、疑問や不安をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?今回、3月9日に行ったイルクジカフェは、今年1月に行った「プラスチックについて考えあう会」の第二弾。一般公開のイベントとして行いました。プラスチックの使い方や捨て方についてのアイデアも紹介していきますので、ご参考になれば幸いです。

 まず、プラスチックのイメージを参加者に聞くと、「便利なもの」、「今の生活になくてはいけないもの」といった率直な意見が聞かれました。使い捨てプラスチックのスプーンやフォークなども有料化される予定の「プラスチック新法案」が今年3月に閣議決定したことを受けて、「これからはマイ箸を使うなどしてプラスチックの使用量を減らしていく必要がある」といった意見も出ました。
 また、昨年7月からレジ袋が有料になってからもう半年以上が経過していますが、レジ袋の使用量は減らせているのでしょうか?家庭で出たゴミを一時的にためておくためにビニール袋を使う方も多いと思いますが、レジ袋を入手する機会が減ると新たにビニール袋を買う必要が出てきてしまいます。参加者の中にはビニール袋を買わなくても済むように工夫している人が多数いました。例えば、配達時に使われた袋をゴミ袋に使うことや、生ごみやペットの糞などには匂いが漏れにくいパンの包装用袋を使うこと、繰り返し使うことなどが挙げられました。

 次に、グループで分かれて行ったフリートークなどで出てきた印象的な話題や意見について紹介します。
 海に捨てられたプラスチックがどこから来るかというと、実は、海とは遠い街中で捨てられたごみも海洋プラスチックごみになりうるのです。今回出てきた意見の中に、「プラスチックの購入、使用は決して悪いことではなく、きちんとごみとして処理しないことが問題」というものがありました。結局のところ、ごみが海へ流れ出すことを食い止めるためには、一人一人の行動が大切なのです
 では、一人一人が自分の行動を見直し問題解決に向かうためには、どうすればよいでしょうか。ホエールウォッチングに行ったとき、いいクジラに会えるように近くの浜で友だちとごみ拾いしているという人もいました。「仔クジラを見るとまた帰ってきてくれるといいなと思って、きれいな海にしようと思う」とも語っていました。このように、自分の好きな生き物にまた会える海を守りたいという気持ちをもつことは、プラスチック問題解決の突破口になるかもしれません。
 他にも、参加者それぞれの経験や仕事上の知識を生かした議論もありました。焼却するプラスチックが減ると、プラスチックは着火剤になっているため焼却炉の温度が上がらず困ることもあるそうです。また、プラスチックを炉で燃やすと、熱やCO2の排出量が増加してしまうそうです。

 「今回のイベントを『みんなで考えあおう』というタイトルにしたのは、考え方や価値観が違う一人一人の輝きがあってこそ、未来の光になっていくと思っているからです。」と代表の相良が言いました。
 どうすれば海に流れていくゴミを減らせるのか。この答えはいまだに分かりません。しかし、一人一人の気持ちと、それに基づいた行動により問題解決の突破口が見えてくるかもしれません。有意義な意見交換を通してそんなことに気付けた、イルクジカフェでした。

(ボランティアスタッフM)


★みんなのオススメ図書★
追いつめられる海 (岩波科学ライブラリー)井田 徹治 
プラスチックの現実と未来へのアイデア (東京書籍)高田秀重
クジラのおなかからプラスチック(旬報社) 保坂直紀
プラスチックスープの海 北太平洋巨大ごみベルトは警告する(NHK出版)
海洋プラスチック汚染: 「プラなし」博士,ごみを語る (岩波科学ライブラリー)中嶋 亮太


イルカのアイコン 東洋大学のボランティアカフェで講演しました

こんにちは、アイサーチ・ジャパン代表の相良です。
2月に、東洋大学のボランティアカフェ(オンライン)で2回にわたり学生さんたちとお話してきたので報告します!
大学のボランティア支援室が主催するボランティアカフェ。学生の知見を広げるため毎月テーマが決められており、2月は環境編ということでゲストに呼んでいただきました。

他のゲストから学んだこと

1回目は2月15日(月)、参加者は8名でした。ゲストは、私ともうひとり、アースデイ函館実行委員会代表の北海道教育大学2年生の大石百音さん。大石さんは、ご自身の経歴話や旅の話、アースデイ函館の話をされました。

「楽しい気持ちはつながる。活動に参加する人が、最初は2人だったけど今は15人まで集まった」
「環境問題って、聞こえはかたいけど、難しいことはしなくて良い。簡単なことで良いから、自分に出来ることをすることが大切」
「自分の世界だけにとどまらない。世界へ出て、いろんな体験をしていきたい」
という言葉が印象的でした。

2回目は2月22日(月)、参加者は7名。ボランティアスタッフのかっきーと参加しました。
他のゲストは東洋大学エコボラサークルの小山りきとさん。所属する「エコボラ」の活動や活動を通して自身で感じたことなどをお話されました。
「地域密着型のボランティアを行う」
「サークルメンバーの意欲を無駄にしないために、彼らが興味・関心のある分野の活動を取り入れる」
「活動を通して、”自分の在り方”、”人を想うことの大切さ”を感じた」
「ボランティアをする上で、自分軸・他人軸・社会軸がある。自分は善かれと思って活動したことでも、相手や社会にとっては迷惑なこともある」
と、聞いていて興味深い話がたくさんありました。

アイサーチのこと

私からは、アイサーチの理念や活動の紹介、「伝える」ということについて、私自身の海やイルクジとの話、水のつながりや海ごみの話などさせていただきました。また、いっしょに参加したかっきーには、彼女が主体となって実施したビーチクリーンのことや活動への想いを語ってもらいました。

参加者からの質問で「イルカやウミガメがごみに絡まっているのを見るとどうにかしたいと思うんですが、どんなことができますか?」とありました。

何かしたいと思うその優しさはとても大切です。しかし、野生の個体に対しては何かしたいと思っても難しいところもあると思います。何か出来たらそれに越したことはないですが、一個体のごみを自分がリスクを犯して取り除いて自己満足するよりも、海にはこういう現実があるというメッセージを真摯に受け取って、もっと根本的な問題解決につながる行動を自分で始める・続けることが大事だと思います。
ごみ問題は目の前に見える結果だけで解決する問題でしょうか。ごみ拾いを1時間したからといって、世界中のごみを拾ったわけではありません。そこからメッセージを受けて自分がどう未来をつくっていくか、と深く考えることが出来ると思います。
なので、アイサーチのワークショップでは「普段の生活の中でもゴミを減らす」ことの普及啓発活動をしています。ワークショップの参加者により深くそう思ってもらえるように、プログラムの後半にはふりかえりの時間をしっかりとり、参加者同士の気付きとなるように導いたり(ファシリテーション)して、参加者が行動に移せるような心への働きかけをしています。

コーディネーターの日比野さんの言葉

トークの合間にコメントいただいた日比野さんの言葉もとても心に響いたのでご紹介します。

「環境問題への取り組みは、点と点がつながれて、線へ、面へとなっていく」
「つながりに気付き、つながりを築く。相手との間に、確かなつながりを作り上げること。人と人の結びつきの上で、様々な活動が活きていく」
「未来志向。これからどうあってほしいのか、未来をみすえるとき、現在をちゃんと見ることも必要。未来は、現在からつながっているものだから。そして、現在は過去からつながってきたもの。未来を考えるときは、過去・現在・未来という時間のつながりに目を向ける」
「近年は様々な物事が専門分野によって分化されてるけど、実は相互に関連しあってるもの。別々に考えるべきではないもの。みんなで、いろいろな視点から人と人とのつながりを築き上げて、未来へと活動を進めていくことが大切」

つながり、深め合う時間

オンラインということもあり、北海道や高知、海外からの留学生など、新しい出会いが生まれました。アイサーチの活動や海のことを知ってもらえる機会となり、2回とも参加してくれた学生さんもいて、より深く知ってもらうことが出来て良かったです。
ゲストトークの後はフリータイムで、参加者同士でさまざまな話題を共有したり、質問し合ったりして交流しました。ボランティア支援室の日比野さんがコーディネーターをしてくださり、アットホームな雰囲気の場でした。

それぞれつながりを結び会える時間、楽しかったです。こういう機会をいただけるのはとてもありがたく思います。またどこかからお声を掛けてもらえることがあったら嬉しいです。
呼んでくださった日比野さん、参加してくださった皆さま、ありがとうございました。

イルカのアイコン 「プラスチック問題について考え合う会」を行いました

アイサーチ代表・相良もコメントさせていただいている、海洋プラスチック問題を描いたドキュメンタリー映画「プラスチックの海」。観られた方はいらっしゃるでしょうか??
地域や時間も制限され、緊急事態宣言も出てしまったので、気持ちは行きたくてもなかなか難しいという人もいるのではと、観た人も観られてない人も、いっしょにプラスチック問題について考え合う時間を1月25日の夜にオンラインにて行いました。

今回は、ボランティアスタッフと、南極と海洋環境の学びの場を提供するLATAS.Club代表・中川さんの参加で、「プラスチック」についての考えを共有しました。
まずは、映画を見た人から、印象に残ったシーンや感想を聞き、それから「プラスチック」と聞いて何を思い浮かべるのか自由に話してもらいました。

そもそも、プラスチックの何が問題か?
低温で燃やすとダイオキシンが発生(臭い)、有害物質を吸着しやすい、生き物の体内に入り込み害を及ぼす、石油の枯渇など・・・という意見が出てきました。マイクロプラスチック海洋プラスチックごみも問題のひとつです。
海洋プラスチックごみの問題と鯨類への影響は、2016年の季刊誌“FLIPPER”771号でも取り上げています。5年経ち、世間の認識は広がったように思えます。でも、目に見えて変化があるとは言えなさそうな状況でもあります。

さて、「プラスチック」にはどんなものがあるでしょう?
レジ袋・ペットボトル・ストロー・漁具(ロープ・浮球・ネット等)・ボックス・100均の便利グッズ・ボールペンなどの文具・フィギュア・プラモデル・洗濯かご・発泡スチロール・プラバン・梱包材・車の部品・パソコン・食品の容器・化学繊維・食品トレイ・CDケース・おもちゃ・人工芝・果物袋・・・
まだまだ数えきれないくらいのものがあります。

生活に欠かせないプラスチックですが、それぞれのプラスチックとの関わりを聞いてみました。
・子どもの頃(20~30年前)には身近にあった。プラモデルをたくさん作った思い出がある。
・なくてもいいものはたくさんあると思う。今はプラスチックでも、数十年前にはプラスチックではなかったものもある。
・全くないというのも困る。パソコンもスマホもプラスチックもなくなっちゃう。
・衛生的だから、いざというときには必要。

今と昔では印象もだいぶ違っています。プラスチックは万能ではないからこそ、なんでもかんでもプラスチックに頼るのではなく、無駄のないように必要なところだけ使うことが大切なのかもしれません。

また、南極に行ったことのあるLATAS.Clubの中川さんは「南極で出たごみは、昔は埋めていたけれど、今は持って帰ってきているんです」と話してくれました。
・分別して、適切に処理する(捨てる)
・リサイクルする
・ごみがでないように物を大切に使う

など、「ごみ」となる前の段階から工夫することに対する発言も出ました。
これはプラスチックに限ったことではないと思います。

・風や水によって地球上を漂う今あるごみをなんとかしたい。
・これから海にごみがいかないようにどうしたらいいか。
・日々学んで、考えて、行動していきたい。

そんな意見もありました。

ざっくばらんですが、今回の会で出た意見の一部をこちらにまとめさせていただきました。最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
小さなとこからでも、みんなで未来の光に向かっていけたらと強く思ってます。
明日も、みなさんと地球にとって良い日でありますように。

Top