国際イルカ・クジラ教育リサーチセンター国際イルカ・クジラ教育リサーチセンター | アイサーチジャパン

入会のご案内

イルカのアイコン 海の環境を学び・考える Vol.0


[学生企画]海の環境を学び・考えるVol.0

私たちはどのくらいイルカ・クジラのくらす海の環境のことを知っているだろう?
イルカ・クジラに興味がある人もそうでない人もいっしょになって考える。地球のこれからのこと。今、私たちにできること。
アイサーチ学生スタッフが主体となって、海の環境を学び・考えていく企画が始まります。

今回は、本企画の中心となる学生ふたりに話を聞きました!

世界を変えるための一歩として

御蔵島とイルカ

いるか: こんにちは!今回は、ボク(いるか)から本企画の中心となる学生のしゅんとかっきーのふたりに話を聞きたいと思います。ではさっそく、ふたりの自己紹介をかねて、アイサーチに入ったキッカケを教えてもらえるかな?

しゅん : 大学の文化祭で、僕の所属しているサークル「EMPOWER」とアイサーチがコラボイベントを開催しました。 その時に、イルカ・クジラが大好きな方たちがいろんな活動してることを初めて知ったんです。

かっきー: そうだったんだ!

しゅん : 実は、これから研究やアカデミックの方に進みたい気持ちや、その後は国際機関に行きたい気持ちがあって、学生のうちに環境ボランティアをやってみたかったんです。どんな気持ちで皆さんが活動しているかを知った上で、先に進みたいと思っています。アイサーチと出会って、これはやるしかない!と。すぐに入りました。

かっきー : すごい!しゅんくんのこと応援するよ。

しゅん : かっきーのアイサーチに入った理由は?

かっきー : 去年の春にフィリピンの小学校へインターンに行った時に、今まで教科書上でしか知らなかった、いわゆる途上国の生の現状を知ったの。例えば、プラスチックごみを家で野焼きするとか、川にポイ捨てするとか。まわりまわって自分たちに有害なのを知らない。それが悪いとかではなくて、ただ、知らないんだ、と思った。そこから環境教育に関心を持ったんだ。もちろん環境問題だけじゃなくて、一般教育の普及とか貧困問題とかも関わってくるけどね。

しゅん: そうだったんだ

かっきー : その後、環境教育を教えていた教授の研究室に入ったの。環境教育を勉強していくうちに、本で学んでるだけじゃなくて、自分にはなにができるかなって考えてたときにアイサーチを見つけたんです。

ビーチクリーンをしてみて気づいたんだ

初めてのビーチクリーンアップ

いるか: ボランティア活動を始めてみてどうだった?

しゅん : 参加したのは鎌倉でのクリーンアップに、家から電車で2~3時間かけて参加しに行きました!

かっきー : うんうん!

しゅん : プラスチックがすごく多いなって思ったんですけど、それ以上に参加している人たちの熱量がすごいなと思いました。僕なんてクリーンアップをやってることすら知らなかったのに「地元のために何かしたい」「海をきれいにしたい」って人が30人くらいもいて、環境のことを考えてる人は、こんなにいっぱいいるんだって、すごく驚きました。その熱量に圧倒されたっていうのが、第一印象です。

いるか : このイベントは、明け早々なのにたくさんの人が来てくれたんだよね。

しゅん : はい。最後にみんなで円になって感想を共有したんです。「こんなゴミありました」「マイクロプラスチックが多かった」とか、ひとりひとり10分くらいずつ自分の考えを発言していて、しっかりと考えている方が多いんだと思って、圧倒されちゃいました。

いるか: この日、しゅんくんは荷物番をしながらも、その近くの砂を掘って掘って、一生懸命ゴミを集めていたんだってね。その姿勢、素晴らしいよね。

共に考える

いるか : かっきーは活動してみてどうだった?

かっきー : 『子どもはすごい純粋なんだなー』って思った。8月の駿河台のEMPOWERとのイベントでボランティアデビューしたんだ。

しゅん : 僕、そのイベントはシーグラスを拾いに海に行く事前準備だけ参加したんですよ。

かっきー : えっ!そうだったんだ(笑)あとは、街のクリーンアップ川崎フロンターレのイベントとかにも参加しました。ボランティア活動ってイメージしてたよりも難しさって言うか、地道さを感じた。場所や人の確保が大変だったり、短時間でどこまで影響をあたえられるんだろうってね。

しゅん: うんうん。

かっきー : 由比ヶ浜での大人向けのゴミ拾いを企画したんだ。集まってくれた人たちが、ゴミに対して推測してくれたり、一部の人はその時話したサンゴの話を聞いて、石垣島まで行ってくれたりしたの。その姿を見て、こういう地道な取り組みも必要なのかなって。影響が大きくなくても、誰かの役に立ったり、誰かの価値観が変動したりしたらいいなって思った。

いるか : あれからまたゴミ拾いしてくれた人もいたみたいだね。環境問題って、結果がすぐに出るものじゃないけど、仲間が増えて、また次の活力になって、だんだん未来へつながっていくのかもね。

ゴミって拾ったほうがいいんじゃない?

砂浜の小さなごみ

いるか: ふたりともクリーンアップに参加してるんだね。どうして海でゴミ拾いしようと思ったの?

かっきー : ゴミが生態系に与える影響をある程度知ってたから、拾った方が良いと思ったし、ゴミは私たち人間が出してるものだから、ワークショップの対象にした時にわかりやすい・伝えやすいと思った。企画する側としてね(ドヤ顔)

しゅん : ゴミはもともとそこにあるべきではないかなと思ったから、かな。どの生き物も食べないから消えていかないし、イルカ・クジラたち生き物にとっては何か悪い影響があるかもしれない私たち人間にとっても、海岸がきれいな方が気持ちがいいですよね。

実際に拾ったもの

かっきー : 大人のビーチクリーンは台風の後だったんですよね。落ちてるゴミは、普段見られる小さなごみとは違って、漁師さんが使う大きな網やシュノーケル道具、あとビーチサンダルとか。こんなに大きな網とか大きなものが海に漂ってるんだなーって、あらためて目の当たりにした。全然劣化していないものもあるし、劣化したものとかもあって『あー、何年前から流れてるんだろうなぁ』とか思いましたね。

しゅん : 僕が参加したときは、「マイクロプラスチックだー」って、みんな話していたことを思い出しました。あと、煙草のフィルターも多かったですね。

かっきー: 小さいゴミ拾って、どうだった?

しゅん : 『マイクロプラスチックって結構あるんだな』というのと『海岸に打ち上げられているごみって、全体のどれくらいなんだろう』と思いましたね。海岸のごみって、その場で捨てられたものが多いのかなってイメージだったけど、それは少なくて海から流されてきたものが多く見えたのでびっくりしました。

海をきれいにすることは海を豊かにすること

海をきれいにすることは海を豊かにすること

いるか : 最近よく聞く『SDGs』にも海の目標があるよね。「海の豊かさを守ろう」って。ビーチクリーンは「海をきれいにする」ことだけど、つながるところはあると思う?

しゅん : 豊かって、物質的な豊かさだけではないですよね。例えば、きれいなビーチを見ると幸せな気持ちになりますよね。それは心の豊かさにつながるのかなって思います。だから、きれいと豊かっていうのはわりと近くて、つながっていると考えています。

かっきー : 海の豊かさっていうのは、ビーチクリーンにも当てはまると思う。ごみを拾うことで、海の中のごみが少しでも減って、生き物たちの生活環境が整って、生態系が豊かになると思う。関節的に関わり合うことで複合的につながりあうものだから、豊かの中にきれいが含まれるんじゃないかな。

SDGsロゴ

SDGsとは?
持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)
地球のみんなが満足して暮らせるより良い世界にするための目標のこと。2030年までに、何をして、どんな社会を目指せばいいか道しるべとなる目標が定められている。
(参考:未来を変える目標SDGsアイデアブック)

環境問題を「知る」「考える」「選択する」

たくさんの小さなごみたち

いるか : なるほどね。最後にズバリ、この企画で何を発信したい?

しゅん : 自分も含めて、何かを考えるきっかけにしたいです。例えば、自分たちは学生で専門家でもないけど、一緒になって考えることはできると思います。環境問題って、見方によっていろいろな側面があって、何が正しいとか一概に言えないと思うから、考えるためのきっかけ作りとして情報を発信したいと思っています。読者の皆さんと一緒に考えていきたいです。

かっきー : 環境問題ってすごい大きくて、環境っていう言葉だけですごいいろんな意味が含まれてて取り扱いづらい、掴み難いものだと思う。だけど、イルカ・クジラっていう生き物を通すことで、個人の意識を変えやすいんじゃないかって。ひとりひとりが行動を選んだりすることにつなげていければいいなって思うね。

いるか: 「知ってほしい」「生活の中につなげてほしい」っていいね。

かっきー : しゅん君とすごい似てるなって思ったのが、環境問題を強く推し進めるんじゃない方法で伝えたいってところ。環境問題って善悪じゃない多面性がある。例えば、プラスチックも人間の生活を豊かにしていく中で生まれたものだけど、それが環境に流れちゃうとよくないよね。そのバランスを決めるのって結局ひとりひとりだから、「環境問題やってよ」じゃなくて、きちんと事実を伝えて「自分で選んでね」みたいな。

しゅん : その通りだと思います。それに「環境問題は、絶対に考えていかなきゃいけない問題だ」というように、押し付けるのは少し違いますよね。自分たちで知って、自発的に考えていくことが大切なのだと思います。

いるか : ふたりともありがとう!!

それでは、かっきーの「何年前から流れてるんだろう」とか、しゅん君の「海の中にはどれくらいあるんだろう」という純粋な疑問を解決したいところからの企画スタートです!


「海の環境を学び・考える」シリーズ >>


企画者プロフィール

人生に悩む大学4年生です。52ヘルツの鯨や白い鯨など、なんだか謎やロマンがあるのが好きです。アマゾンプライムビデオで、人生考える系の映画をよく見ています。永遠のゼロ最高でした

大学3年生。人と動物の関わりについて学んでいて、人と動物が幸せに暮らせるような取り組みをするのが夢。最近カメラにハマった。いつか本か写真集を出してみたい。


Top