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イルカのアイコン <なおのイルクジライフ> 「ヤクシマ・クジラ&イルカ研究所」編


「なおのイルクジライフ」では、アイサーチ・ジャパン代表の相良菜央が訪ねたイルクジに関わる団体や場所、イルクジや海について思うことなどをご紹介していきます。
今回は【ヤクシマ・クジラ&イルカ研究所】です。

クジラを愛し、「おかえり」と迎える人。
まっすぐ海を見つめるその眼差しには、光が満ちているようでした。
自然の豊かな屋久島でザトウクジラの観察をする「ヤクシマ・クジラ&イルカ研究所」という団体があります。
研究所の皆さんと話していると、心からクジラを愛していることが伝わってきてとても温かな気持ちになります。
先日、私もクジラ観察に同行させていただきました。

冬は暖かい海に訪れ、夏には北の海で生きるザトウクジラ。
日本では沖縄(特に座間味)や奄美での観測が有名ですが、屋久島でも定期観測が始められて何年か経ちます。ヤクシマ・クジラ&イルカ研究所は、出来る限りクジラたちに負担を与えないように、岸からの観察を心掛けていました。
広い視野で海を目視し、ブロー(潮吹き)を見付けたら双眼鏡で観察。
ブローを見付けた瞬間のあの喜びといったら。格別です。
同じ空間に、同じ生命として、同じ時を共有していることに感動するばかり。

《写真提供:ヤクシマ・クジラ&イルカ研究所 高田奈央》

クジラたちがのびのびとジャンプしたり、リラックスした様子でずっと同じ場所に留まって休む姿が見られるのは、研究所の皆さんの「やみくもに追いかけ回したり騒音などでクジラたちの生活を邪魔したりせず、彼らの目線に立って考えられる人であり続けたい」という熱い想いがあって
のことでしょう。
私は、目の前でゆったりと泳ぐクジラたちを眺めながら、改めてこの研究所の皆さんの心の在り様に感謝と尊敬の気持ちでいっぱいになりました。

屋久島は、森の奥深さも素晴らしい島ですが、海にもぐると青の世界の美しさにも驚かされます。
年間を通した降水量も多く、太陽・風・緑・水の恵みに潤う島のよう。
その全てがあるからこそ、クジラもその中に調和している・・・クジラや縄文杉だけを切り取って島を見るのではなく、自然のつながり、自然界の営み全てに“感謝”の気持ちを忘れずに、また訪れたいと感じました。そして、そう思ってくれる人が、増えますように。

春になり、北へ出発するクジラたち。「行ってらっしゃい」と、見送る人。
またこの島に帰ってきてくれるよう、この島の美しさが保たれることを、研究所の彼女たちと一緒に私も願ってやみません。

(文:相良菜央)

ヤクシマ・クジラ&イルカ研究所
屋久島でザトウクジラの観察をしている団体。クジラたちにできる限り負担を与えない観察スタイルが特徴。
https://www.yakushima-whale.com

余談のおはなし…

屋久島の海でビーチクリーンしていたら、箒が流れてきました。
これは、“もっと海をきれいにしてね”というメッセージ…?
なので箒も使って海のおそうじしてきました!
明るい未来につながりますように。


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