【世界のイルカクジラニュース】南極の海で変わったクジラの歌 ひょっとして新種?
音が先に確認されることからも、海で音がどれほど重要なものかということもうかがえますね。
音は聞こえるけれど、姿が見えないとは!!
海はまさに神秘の世界ですね。
今後の研究に期待です!
南極の海で変わったクジラの歌 ひょっとして新種?
2015年4月13日付
BBCアース‐アース・ブログより
新種のクジラが南極の冷たい海をのんびりと泳いでいるかもしれない・・・
昨年、“Deraniyagala beaked whale”が新種と認定され、現在、確認されている種類は合計22種となっている。
科学者たちがある変わったクジラの歌をとらえた。アカボウクジラ科の仲間の歌である可能性もあるが、アカボウクジラ科で知られる歌の構成にどうも合致しない。
アカボウクジラ科は深く潜って水面に姿をあらわすことがほとんどないため、目撃情報がきわめて少ない。大型哺乳類でも最も生態が知られていない種類のひとつである。
しかし、深海でお互いの位置を確認するために独特な音を発する。科学者チームは、タイミングと信号音を出す時の音の種類の両方が特徴的であると報告しており、この独特な音を南極圏BW29と呼んでいる。
“アカボウクジラ”は声の質から考えて対象外。また、南極圏で最大のアカボウクジラ科である“ミナミツチクジラ”から出される音は当てはまらない。“ヒモハクジラ”、“ミナミトックリクジラ”、“ミナミオウギハクジラ”である可能性もあるが、“ヒモハクジラ”は通常、南緯60度以南の南極海域で見ることはない。
実は、アカボウクジラ科の体長と音を出す頻度の間にはある関係性がある。南極圏BW29は“ミナミオウギハクジラ”であり得るための頻度が合わないのだ。また、“ミナミトックリクジラ”の親類にしてはかなり異なった音であり、この種も南極圏BW29には合わないことになる。
さらに、研究者たちは2つ目の独特な音もとらえており、南極圏BW37と呼ぶ。南極圏南極圏BW29とは別のアカボウクジラ科であるかは不明であるという。体長と音の頻度に関係性があることを考えれば、“ミナミトックリクジラ”が南極圏BW29のパルス形を発する可能性はある。一方の南極圏BW37のパルス形は、体長がより小さい“ミナミオウギハクジラ”に属する可能性があるという。あるいは、ある種類が複数の音のタイプを発生させることはあり得ると研究者たちは述べている。だが、今までのところアカボウクジラ科のどの種類のものであるかということは示されていないのである。
「アカボウクジラ科の新種が今なお発見されていることを考えれば、南極圏でとらえた音が未知の種であるということもあるかもしれません」と研究者たちは締めくくっている。
元記事:http://www.bbc.com/earth/story/20150413-new-whale-species-identified
※ここでは著作権の関係上、概要のみお伝えしております。 詳しい内容が気になる方は、記事元(英文)のURLをクリックしてください。
※お詫びと訂正:”キュビエハクジラ”の記載がありましたが、これは英文の”Cuvier’s beaked whale”にあたり、“アカボウクジラ”の英名になります。概要文を一部修正すると共にお詫び申し上げます。