[Flipper’s message]雨音の中で、イルカ・クジラを想う
雨は、海からここへ訪れた旅人。
太陽の熱で海の水が蒸発し、雲となって空を渡り、雨となって私たちの元へやってきた。
雨を見ると、「海はどうだった?」と、聞いてみたくなる。
雨の雫、一粒一粒に思いを馳せる。
海にいた頃は、波乗りするイルカと戯れていたかもしれない。
海にいた頃は、クジラの歌に包まれていたかもしれない。
私たちは、どこにいても、イルカ・クジラとつながっている。
雨がそう教えてくれる。
どんなにコンクリートに囲まれた町で暮らしていても、
どんなに海から遠い森の奥にいても。
雨は、大地に染み込まれ、川となる。
その旅の途中で、ここから次はどんな場所へ寄るのだろう?
多くの恵みをもたらす中で、どんな命と出会うのだろう?
あらゆる命とめぐりあい、目的の場所へと流れゆく。
雨の帰る場所-イルカ・クジラの暮らす海-を想う。
いつまでも彼らが泳ぎ続けられる、美しい海でありますように。
雨が訪れるこの町で、海のために出来ること。
小さなことから始めてみよう。
迷っていたら、動いてみよう。
その一歩が、未来へとつながっていく。
一人ひとりの力は小さいけれど、みんなで集まれば大きな力になる。
いつまでも、イルカ・クジラと出会える地球であるために。
(文:相良菜央)